【活元運動の説明】体が勝手に動く!?異様に見える自然な運動・活元運動の世界

活元運動 活元運動

活元運動を説明するのは難しいのですが、、簡単に言うと、意識して体を止めてるのをやめたら、体って勝手に動くよって話です。

で、その動きって、体が体を調整するためにやってる自然の運動だから、どんどん出しちゃおう!てのがカツゲン運動のコンセプトです。

それでは詳しく見ていきましょう!

体が勝手にやってること

出てくると面倒な体の反応

  1. くしゃみ
  2. せき
  3. あくび
  4. 貧乏ゆすり
  5. 寝相が悪い

イヤですよねー。自分も嫌だけど、人に迷惑をかけちゃうと思うと、とにかくなんとか止めたいって思います。

こういう体の反応ってなんのため?って考えたことありますか?

くしゃみや咳は体に入った異物を外に出すため、あくびは脳に酸素を運ぶため、貧乏ゆすりは不安の解消?血流改善?寝相は?

なんか理由はあるかもしれないけど、基本的に止めようと思うのが普通です。

無意識に体を守る力

つまづいてもバランスをとったり、手をついたりって、意識してないけど、とっさにやっちゃうじゃないですか?

もしこういう働きが鈍っちゃうと顔面をぶつけたり、大怪我をしますよね。

出てくると厄介なくしゃみも下痢も、実は同じ無意識に体が自分自身を守ってる働きです。

風邪の効用

整体では、風邪をひくと体の調整になると考えます。

というのも、よく観察していると、風邪をひく前は体が歪んでこわばったところがあったのに、風邪が治ると戻ってすっきりすることが多いからです。

だいたい風邪をひく前というのは、無理が続いたりして、気付かない内に体の緊張が抜けない状態になっています。休暇に限って風邪をひいてしまう、なんていうのは、緊張がフッと抜けたから、その機会に体が偏った疲労を調整してくれているのです。

例えば食べすぎてると体が左右に偏ってきて、限度まで行ってフッとゆるんだ時に下痢をする。下痢がおさまった頃には体の左右の偏りも戻ってる!なんてことも

そう考えると風邪もそんなに嫌じゃなくなるね。今度風邪をひいたらよく観察してみて!くしゃみって結構気持ち良くないですか?

ほんとは意味がある!?

敏感な体を保てば風邪は軽い?

体がやってることって、実はちゃんと意味があって、知らない内に平衡要求が働いて、健康を保ってるのだと思います。

敏感な体というのは、ちょっとのこわばりをすぐに感知してさっとゆるむ。

だからほんとは、昼間の疲れは寝てる間に調整できれば一番いい。

寝相は人それぞれ偏った部分を調整する格好になっています。

寝てもどこかゆるまないところがあると、体が偏ってくる。

敏感ならさっと風邪をひいてさっと調整する。

くしゃみを何発かすれば終わりとか、一晩高熱を出して、次の朝には元気というのは体が敏感な人です。

逆に、風邪をずっと引いてなかったら、大病になったというのは、体が風邪もひけないくらいこわばって鈍感になっていたということです。

意識的に無意識の運動を起こす画期的な方法

無意識は体を守ってくれているという事実

風邪もそうですが、例えばずーっと座って作業してると、伸びをしたくなりますよね。

伸びするのをじっと我慢し続ければどうなるでしょう?どんどん疲労は蓄積されてほぐすのが大変になります。すぐに異常を感知してすぐに対処するのが一番簡単です。

無意識はいつも健康を守ろうと働いていて、意識がそれを鈍らせます。

現代の社会生活ではどうしても意識中心で、無意識の働きが鈍くなりがちですからね。

そこでこの無意識に健康を守っている働きを活発にするために、訓練しよう!というのが活元運動の目的です。

ちょっと無理すると

体はちょっと無理をすると、「あれ?おかしいぞ」と感知して調整機能を働かせます。

例えば鼻をコチョコチョっとするとくしゃみがでるみたいに。

活元運動は意識的に無意識の運動を出すのですが、そのきっかけ作りにこの働きを利用しています。

また呼吸というのは唯一、意識でもコントロール可能な無意識の運動ですから、古来ヨガや修行法で使われて来ました。

活元運動でも呼吸を利用します。

ふつう呼吸は、吸った時に背骨が反って体が緊張し、吐いた時に弛んで丸まります。これを逆に吐いた時に背骨を反らして力をぎゅーっと入れる。

こうすると、体が「ん?なんかいつもと違うぞ。おかしい。なんとかしなくちゃ」ということで、無意識の働きを呼び覚まして、運動が始まります。

ポカンとすること

一番大事なのはポカンとしていることです。

意識で体を止めておくことを止めて、体の力をぜーんぶ抜くと運動が出てきます。

意識で止めてる体の内側からの動きに身を任せる感覚。不思議ですが、みんなほんとは持ってる力です。ぜひ一緒にやっていきましょう!

根性悪い人は出ない?

あれこれ頭で考えたり、こうしなきゃああしなきゃと思ってがんじがらめになっていたり、体が鈍感になっていると、こわばってなかなか出てきません。

だからまず準備運動で邪気を吐いて、体をゆるめておきます。

あとは目をつぶって、体が動くがままに任せること。

天心で行うのがいいと言われます。

天心というのは「良くなろう」とか「良くしてあげよう」とかいう気持ちも邪気で、ただ無心にぽかーんとしていること。自然に任せ切る気持ちです。

活元運動すると起こる変化

反応について

活元運動を続けていると、体に色々な反応が起こってきます。

弛緩反応

だるーく眠くなってくる。体のこわばりがゆるんできて、妙に疲れた感じになります。

体を冷やさずにゆっくり休むのがいい。

過敏反応

体の皮膚の下に水が流れるような感じや寒気がして、熱が出たり、痛みが出たり、風邪をひいたようになる。

何年も前の打撲の痛みが出てきたり、体に残っていた影響が浮いてきます。

普段どおりにしていて大丈夫。必要以上に休むと逆に反応が遅くなります。

排泄反応

体の老廃物や悪いものが排泄される。皮膚に変化が表れたり、いっぱい汗をかくことが多い。

排泄されるとともに、体がどんどんゆるむ。背骨に気を通したり、足湯や脚湯をするといい。

反応が終わったら

反応中はとにかく冷やさないこと、反応が終わったらすっかりゆるめて休養することが大切です。この反応はだいたい急性の風邪の症状と同じですが、どちらにしろ注意点は同じで、きちんと反応を経過すると、とても元気で丈夫になります

活元運動をやらない方が良い人

体の要求に従っている限り、それほど心配することはありませんが、できれば指導者の元で行うのが安心です。

基本的にどなたにもおすすめできますが、以下の方は活元運動はやめておくのが無難です。

精神疾患の方

精神疾患の方は、症状が悪化するように見えるので、やめておきましょう

特に動画だけ見て行うのはやめてください。(指導者でも断る先生が多いかもしれません)

活元運動をやっていると突然叫んだり、ワーっと喋り始めて止まらなくなる人がいます。

心に色々抱え込んでいる人が、抑えていたものを吐き出すように喋るのは、整体的に見ると排泄になるので、悪いことではありません。

ただ日常的に全くコントロールが効かないほどだったり、精神疾患で病院にかかっているような場合は、 一気に色々と出てくると怖いので禁忌とされています。

*もしも活元運動中に少しでも「怖いな」と思ったら、左肩をバン!と叩くと活元運動が止まりますので、覚えておいてください。

体に異物を入れてる方

豊胸手術を行っている方が排泄反応期に、異物を排泄しようとして、シリコンが動いて胸が変形してしまったというのは有名な話です。

豊胸に限らず、美容整形をされてる方は本来の体に戻ろうとするので、やめておいた方がいいと思います。

事故でガラスが刺さったけど、除ききれてなかった破片が出てきたとか、 手術した時に残ってしまっていたらしいガーゼが出てきたなんて話も聞きますが、体としては、意図的かどうかの区別はできず、とりあえず異物は出そうとするので、人工的な治療をしている場合、何が起こるか分かりません。

そういった意味で、ペースメーカーやステント等を入れている方にもおすすめできません。

医療を受けられている方や不安のある方は、指導者にご相談ください。

自分の健康に責任の持てない方

活元運動は、自分の体力を発揮する方法ですから、すぐになにかのせいにしたり、なにかに頼ったりするような心構えの方はできません。

ただ活元運動をやっていると、だんだんそういう気持ちがなくなってくると思います。

本来の自分に戻る

活元運動をしていると、気張りや執着が抜けてきて、自分に素直になってきます。やりたいこと、やりたくないことがはっきりするし、なにかずっと抑えて溜め込んでた人なら、不満がいっぱい出てくるかもしれません。その時我慢したと思っても、実は体に悪影響を与え続けていて、不調を引き起こしてることもあるし、そういうのは出してしまったほうがいい。なんでもちょっとずつ出せば大した問題にはならない。出さないののはいいけど、出せないのは困る。

敏感になる

体が敏感になると、出すべきものはその場でさっと出る。

例えば悪いものを食べたらサッと吐くとか、汗が冷えたらサッと熱が出るとか、嫌なことを言われたら上手に嫌味を返すとか?

とにかく元気になる方向、自分自身を守って丈夫になる方向に行こうとします。

快方に向かう」と言いますが、快い方向に進めば体に良いということです。

体に任せるとか、自分の内側からの声を聞くとかいうと、よく堕落するとか、わがままになると考えがちですが、逆です。

全部ゆるみきれば、きちんと引き締まれるから、全力を発揮できる

どっちつかずの状態でこわばったままになっているから動けない。

心のこわばりと体のこわばりは一致します。

ゆるむべき時にゆるむ。引き締まるべき時に引き締まる。休むべき時に休む。動くべき時に動く。

こういう心と体の緩急、エネルギーの発散と集中がスムーズな状態を整体と呼びます。

自分で自分を整体できるようになったら便利だと思いませんか?

その他いいこと色々

活元運動をした後は、ほんとに爽快です。なんとも言えない充実感がある。

息が深くなるし、眠りも深くなる

困った時の活元運動」で、怪我した後にやっておくと治りが早い気がするし、迷った時とかにやると、解決策が浮かぶことがあったり。

運動神経やバランスの調整にもなるらしく、スポーツする人、歌う人、演奏する人、芸術家の人は、癖がいい具合に抜けてパフォーマンスが上がるみたいです。

自分の内側から出てくるもの、創造性もアップしそうですね。

さっそく動画をみて一緒にやってみよう!

活元運動まとめ

いかがでしたか?

活元運動はちょっと怪しいからか、あまりメジャーになりませんが、出るようになるととても便利です。

健康で勘の働く人が増えるといいですね。

*私は資格を持った指導者ではありませんが、このような世の中でこそ野口晴哉先生の整体が広まることを願って活元運動を公開しています。

協力して活元運動をひろめて頂ければ、自分の力でやるべきことを、他人の技術を当てにして、坐って足の太くなるのを待っているような人がこの日本に数少なくなることでしょう。

明るく楽しい生活を考えると「政治の要諦は民をして病むなからしむるにある」と黄帝の問に答えた岐伯の言葉が想い出されます。

野口晴哉

コメント

  1. 活元、苦手でした。

    でもポリヴェーガル理論(神経発達学の理論の一つ)を学び、見方が変わりました。

    『トカゲなどは、大きな敵に会い逃げられないとわかると仮死状態になり、敵が去るとすぐ元に戻る。哺乳類になると、体が大きく酸素消費量も多いので、仮死から復活する時に手足を痙攣させ酸素を取り込み、仮死状態を解除する。その時に恐怖心も吐き出してしまい体と心をリセットする。人間になると、怖い時にフリーズしても怖い気持ちを溜め込んでしまう。昔はお祭りで夜通し踊り、悲しみや苦しみを吐き出していたが、今はそういう機会がなく、人は気持ちを溜め込み、心を病んでいく』

    というものです(すごく大雑把にまとめてます)。

    「昔はお祭りで発散していたんだ!本来、人は発散する動物だ!!」と気づき、活元への苦手意識がなくなりました。今は毎朝プチ活元し、赤信号で止まった車内でも上半身を動かしています。

    活元が苦手な人のヒントになれば、うれしいです。

    • ポリヴェーガル理論面白いですね!
      本当にブルブルしてる時に恐怖を吐き出せるんだろうか、と思いましたが、確かに恐怖は体の緊張と連動してるはずなので、体をリセットすると、心の恐怖もリセットされるということなんですかね。
      人間も恐怖したり、ストレスを感じると体が緊張しますが、そのまま抜けないとこわばりとなり、心にも体にも緊張状態や歪みが残ります。これがトラウマと呼ばれているものでしょう。
      トラウマの解消には一般的には精神療法が主流だと思いますが、心にトラウマがある場合は必ず体にもこわばりがあります。
      どちらからのアプローチも可能ですが、片方がゆるんだ場合、同時にもう片方もゆるみます。
      時間が経つほど奥に沈んでしまうので、トカゲや哺乳類のように仮死状態になっても危機が去ったらすぐにブルブル活元運動をして解除できれば後にこわばりが残りませんね。
      我々も見習うべきでしょう(笑) 
      仰る通り、お祭りはエネルギーの発散とか歪みのリセットに寄与していたはずです。
      本来「踊り」も活元運動の一種ですよね。今は振り付けのある意識的な運動が中心になってしまいました。
      昔ながらの風習や文化は人間の【体×心】に根ざしたものが多いです。
      今はライブとかスポーツ観戦とか、それぞれの発散ができてる人はいいですが、知らずにためてる人も多いと思います。
      活元はほんとにいいリセットになるんですが、どうも皆さん食いつきが悪いんですよね^^;
      やはりあの見た目と、意志の強さ等が良しとされる文化の中で、無意識で、というのに抵抗を感じるんですかね~
      人間も動物で、意識してることや理性でコントロールできることは表層に過ぎないということが分かれば、その奥で無意識に働いてくれている生命の営みの妙を認められると思うのですが。
      むしろ活元運動をやっているとそれが分かってくるので、意識にがんじがらめになってる人や活元的なものが苦手な人こそ体験してみると感じ方が変わって面白いと思います(^^)
      勉強になりました。
      ありがとうございます!

  2. 手のひらで呼吸を続けると手のひらが拡がって部屋中一杯になり、「天地一指」(荘子)の世界-対立を超えたところから見ると天も地も一本の指も同じ。みんなニコニコ元気に生きる世界-、自分がどこに座っているか、脚も体もなくなって、ただフカフカした雲の中に合掌だけがあるというようになる。指から息が出、気を感じる。胸でもお腹でも手のひらを近づけると気を感じる。(整体入門:合掌行気)

    • ありがとうございます。
      「天地一指」いい言葉ですね(*^^*)
      雲の中に合掌だけがある境地にはまだ至ったことはないですが、手の呼吸や体の呼吸は分かる気がします。
      内弟子さん達は、合掌行気によって「呼吸の間隙」をつかむ練習をなさっていたとか。
      やはり基本が大切なのですね。
      野口整体は学べば学ぶほど、「あ、こういうことかな?」と気づいて深まるのが面白いです。
      天地一指を目指して頑張ります!

  3. 愉気の極意。手のひらで呼吸を続けると手のひらが拡がって部屋中一杯になり、「天地一指」に、自分がどこに座っているか、脚も体もなくなって、ただフカフカした雲の中に合掌だけがあるというようになる。指から息が出、気を感じる。胸でもお腹でも手のひらを近づけると気を感じる。(整体入門)

  4. 整体は、愉気にはじまり、愉気におわる。(ibid.p.67)
    服部女史(内弟子)さんは、付け加えて、活元運動にはじまり、活元運動におわる、と教えられた。整体操法も二人が一つになる活元(組)運動でした。

    • その通りだと思います。
      体癖も愉気の応用だと思っています。
      私は操法の練習はほとんどやってませんが、なんとなく技術というイメージもありましたが、相互運動の延長なのですね。
      活元操法は分かりますが、技術としての操法もやはり元は活元運動なのでしょうね。

  5. 愉気の方法は実に簡単だ。合掌行気は、指から丹田へ息を吸い込み、吸った息を指から吐く、これを無心に行う。自らが手だけになってしまったかの如き境地に至った時、人の手は常識を超えた力を発揮するのである。(秘伝2009年P.67)50年昔は、手だけが空間を占める訓練をしました。

    • 手だけが空間を占める訓練!私はまだその境地に至ったことはないですね。。精進します!
      ありがとうございます。

  6. お元気そうで何よりです。まだホンコンですか?。ホンコンを出られますと良いです。ホンコンのアグネスシュウさんが、12/3の無事にお誕生日を向かえられることを願っています。金井省三「病は力」春秋社刊の金井さんが72歳でおなくなりになりましたが、ご存知でしたか?晴哉さんが、エミールクイエの物真似と見ぬいた中村天風に師事して道を外れた方です。生涯税金を払わなかった整体指導者でした。20000円操法料で50肩も腕のしびれも取れなかった。ご冥福をお祈りします。出戻りの丹羽さんの世代で外弟子で丹羽さん同様晴哉さんには、信頼はなかった方でした。

    • まだ香港です。今はどちらかというと、ワクチンを打たなければ帰国できなくなるのではないかという方を恐れていますが、ちょっと帰国の予定は立ってないんですよね。。
      金井さんの本は10年くらい前に一度読みましたが、面識もなかったので存じませんでした。そうでしたか、ご冥福をお祈りします。
      中村天風という人も知りませんでしたが、松下幸之助や稲盛和夫が影響を受けた日本の自己啓発の大家だそうですね。エミールクイエでしたか。
      なかなか私の知らないことも多そうですね^^;

  7. 素晴らしい。感謝申し上げます。

    • イトウさん、
      コメントありがとうございます。
      活元運動を言葉で説明するのは難しいのでそう言っていただけて嬉しいです。
      これからもよろしくお願いいたします。

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